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ランジェリーをあなたの日常スタイルに
その道のプロから学ぶスタイルコラム
フランスからSPLASH特派員がお届け
France
アムールの国 フランスのランジェリー事情
パリの老舗ランジェリーメゾン Aubadeの魅力
こんにちは!
フランスはラベンダーやハニーサックルの花が咲く季節になりました。21時過ぎまで明るいこの時期は、爽やかなうえに街にも活気があり、観光にもおすすめです。今年はどこも閑散としていますが、フランス旅行の際には夏休み前のこのシーズンをぜひ候補に!
さて、今回はフランスのランジェリーブランドのなかでも幅広い年代から人気のオーバドゥを紹介させてください。
オーバドゥは1875年に現在のパリ1区で誕生した老舗ランジェリーメゾン。インポートランジェリー通の方にはお馴染みかと思いますが、ブランド名のAubadeは「朝の詩」の意。または、夜明けに別れる恋人たちの詩や歌を示しています。
ブランドがそれぞれのコレクションで表現しているのは多彩な愛の物語で、老舗ブランドでありながら常にトレンドを取り入れた新鮮なアイテムを展開しているのが特徴です。
ブランドを代表するアイテムといえば、官能的な印象のハーフカップブラジャーではないでしょうか。オーバドゥのブラジャーは24以上のパーツから作られており、美しさだけでなくフィッティングの良さも追求し、完成までに2年以上の時間がかけられています。さらに、サイズ展開も80Aから100G(フランスサイズ)までと幅広く、デザイン性の高さだけでなく極上の着け心地でも女性たちの心をつかんでいます。
私も、オーバドゥでハーフカップのブラに目覚めたひとりです。オーバドゥに出会う前は、実はハーフカップが苦手でした。かがむとバストがこぼれてしまったり、段差ができてラインがきれいに出なかったり、華奢で若々しい見た目からなんとなく10代、20代の女性向けという気がして、好みのデザインの商品を見つけてもスルーしていました。
ですが、子供たちの授乳が落ち着いて、そろそろブラを新調しようとギャラリーラファイエットの下着コーナーに行ったときに、高齢の夫婦がオーバドゥのコーナーでランジェリーを選んでいるのが目に留まりました。ひとりの白髪の女性が、持っていた杖を男性に渡し、レース1枚仕立ての真っ白なハーフカップブラを持って試着室に消えていったのです。
意外なセレクトにびっくりしながらそっと様子をうかがっていると、その後旦那様を呼んではサイズの交換などを頼んで完全に尻に敷いている様子。一方でおじいさんもまんざらではない表情で、女性ものの下着を抱えて店内を右往左往。
微笑ましくも絵になるふたりの姿に思わずほっこりしながら壁に目をやると、「Aubade 60 ans de séduction」(オーバドゥ 60年の誘惑)と書かれたポスターが。
何気ない老夫婦のやり取りに愛の歴史を見たような気がして、異国での子育てで干からびかけていた私も、素敵な恋愛映画を観た後のような満ち足りた気分になったのでした。
老夫婦につられてその日買ったのが、「Allée des Plaisir」コレクションのブラとショーツです。私の母よりもずっと高齢の女性につられて10代のころ以来約20年ぶりにハーフカップに初挑戦したのですが、驚きのフィット感。若いころと比べてバストがしぼんで肉質も柔らかくなったのが逆に良かったのか(笑)、胸があふれることも段差になることもなく、大人の余裕が感じられるセンシャルな胸元に久しぶりに自信が持てました。
ちなみに、私は日本では70Dのブラを選ぶことが多く、フランスでは基本的に85Cがフィットします。ですが、オーバドゥのブラは私のザ・日本人体型にも合うようで、普段のサイズだけでなく前後のサイズもきれいに着けられます。あふれそうな胸元を楽しみたいときには85B、リラックス感のあるラインにしたいときには90Bというように、気分に合わせて選んでいます。
若い女性だけに独占させるのはもったいないオーバドゥのハーフカップのブラ。日本でも売られていると思うので、ぜひ試着してみてください。きっとデザインやフィット感の良さ、さらにあふれ出る官能美の虜になってしまうはずです。
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