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ランジェリーをあなたの日常スタイルに
その道のプロから学ぶスタイルコラム
Lingerie Stylist
ランジェリーで自分史上最高の美しさを
女性たちの歴史を支えたランジェリーとこれから
こんにちは。
ランジェリースタイリストのキャシーです。
「ランジェリーで自分史上最高の美しさを」というテーマでコラムを執筆させていただきます。 皆さんのランジェリーライフが、もっとときめきに満ち溢れるようなコラムにしていきたいと思いますので、少しでもご参考になれば嬉しいです。
さて、今回は「女性たちの歴史を支えたランジェリーとこれから」。
コルセットで病気になる!?
ランジェリーの歴史は意外に古く、最古のものを辿るとなんと紀元前にさかのぼります。当初は紐でバストの下(ブラジャーでいうアンダー部分)を支える構造のみのシンプルなものでした。 そして、中世にかけて、コルセットが大流行。当時のコルセットは生地が固く、肋骨の中心に棒のようなものを入れ、ウエスト回りをコルセットで強く締め付ける構造であったため、女性自身が苦しいだけでなく、肋骨が変形し呼吸も浅くなり、様々な病気の原因になったと言われています。
コルセットが流行していた当時はウエストの細さが美の基準とされ、細かな流行は変化していたものの、良い相手と結婚するための条件の一つでした。ランジェリーは、“世の中にある美しさの基準”に女性の身体を近づけるための大切なアイテムでした。
欧米の女性が自由を手にする時代と日本の下着文化
1800年代末、女性をコルセットの苦しさから解放させるため開発されたCadolle社のブラジャー型コルセットが登場。そして、1920年代のレーヨン(光沢のある伸縮素材)の登場により、今まで高級品とされていたブラジャーをはじめとするランジェリーが一般家庭に普及します。そこから伸縮性のあるランジェリーが登場し、1930年代にはワーナー・ブラザーズ社(映画会社とは別会社)がA~Dまでの深さのカップと伸縮する肩紐を採用し、現在のブラジャーに近い形状となっていきます。
1940年代には、第二次世界大戦前に再流行しはじめ、戦時中には一度衰退した“細いウエスト”、“上がったバスト”の流行が再燃します。戦時中に押さえつけられていた、女性たちは社会進出をはじめ、アウトフィットとしてのファッションルックもボディラインの目立つものが登場します。そんなファッションを下支えしたのが何を隠そうこうした機能性を持つランジェリーたち。
そして、このような欧米の流行が、戦後の日本に流入します。 “細いウエスト”“上がったバスト”、私たち日本人の美の基準であり、ブラジャーをはじめとするランジェリーはこういった体型を目指すものが多い。それは現代でも残る価値観で、日本のランジェリーの大きな流れの根幹にあります。
新たなランジェリーの時代
時代は2022年。ランジェリーの流行は新たな転換期を迎えています。今までのような“世の中の美の基準”ではなく、一人一人の体形や美しさを生かすというコンセプトが重視され、多様性が受け入れられる世の中に。バストやウエスト、ヒップは大きくても小さくても、形がそれぞれ違っても良い。年齢も関係ない。美しさとはあなた自身の中にあるもので、それを生かすことがあなたを魅力的にさせる一番の方法なのです。
今でも結婚やパートナーへのアピールのためにランジェリーは重要かもしれません。パートナーと楽しむためのプレイフルなアイテムがあっても刺激的ですものね。ただ、それだけではなく“自分を美しく魅せる”ランジェリーの存在もとても大切。あなたの体形を受け入れて、さらに魅力をアップさせる。これからはそう言った価値観でもランジェリーを選ぶ時代。そんなランジェリーとの出会いが、あなたの人生をもっと豊かにしてくれるはず。
各分野で活躍する方々に登場していたたきランジェリーや女性の美、最新の ファッションやコーディネイトに関する情報を発信していただく最新コラムです。
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