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東欧のかわいい陶器
受け継がれる伝統と模様
今回紹介する本は、『東欧のかわいい陶器』~ポーリッシュポタリーと、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、チェコに受け継がれる伝統と模様~(出版:誠文堂新光社)というビジュアルブックです。
日本で東欧雑貨に人気の火が付いてから、早数年がたちますが、ノスタルジックな東欧デザインの人気は衰えるところを知らず、その人気は益々拡大を続けています。この本では、ポーランド陶器をはじめ、チェコやルーマニアといった東欧各国の伝統的な陶器がたくさん紹介されています。タイトルに「東欧」と付く本は、たいていの場合チェコとハンガリーがメインで、ポーランドのことはおまけ程度にしか載っていませんが、この本は違います。ポーランド陶器の写真と情報が盛りだくさん!例えば、パイを焼くときに器の中に入れる「パイバード」や、ティーポット型の「置時計」など、今すぐ欲しい!と思うような可愛いものがたくさん掲載されていて、ページをめくる手が止まらなくなります。
執筆者のソルネク流・由樹さんは、2004年からポーランドに移住し現地カルチャーを知り尽くした方で、現在はフリーライターとしてご活躍されています。。本書だけでなく、インターネットなどでも彼女のコラムを見かけることがありますが、どれも本当に面白くて新鮮。ポーランドの知られざる魅力や、知っていたけど見過ごしていた魅力を再発見させてくれます。本書で紹介されている「ボレスワヴィエツ陶器際」のコラムは、ソルネク流・由樹さんならではの文章力と情報発信力により、短いながらも読みごたえのある内容になっています。
ルーマニアとハンガリーの執筆はソルネク流・由樹さんではありませんが、こちらも豊富な情報量でかなり楽しめます。東欧雑貨マニアでなくても、買って損なしのお勧めの一冊です。
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