Style

ランジェリーをあなたの日常スタイルに
その道のプロから学ぶスタイルコラム

Illustrator

ランジェリーとアートの融合

イラストレーター/アーティスト 平泉春奈

ランジェリー×イラスト 『あなたの1番になれない水曜日のキス』 

「なぜ?」と思わないこと。「もっと」と求めないこと。

私の中で決めたルール。その中でめいいっぱい愛すると決めた。

それでもなぜだろう。こうして体を重ねていたら

ルールという名の柵の隙間からポロポロこぼれ落ちるキメゴト。

悪いのは私の弱い心。

私は決して“カワイソウ”なんかじゃない。

あなたの2番目、私の居場所。

※自身のInstagram引用


「あなたの2番目」それは、好きな人の本命になれない立ち位置のこと。なんて残酷な言葉だろうと思います。

このシリーズを公式に発表する前、本当に沢山の方からそのリアルな現実の相談が寄せられました。

私はそれまで様々な愛の形を描いてきましたが、基本的に主人公は幸せな恋をしていてほしいし個人的に物語はハッピーエンドが好きなので、ずっとこの残酷過ぎるテーマを避けてきました。ただやはり現実的に、この立ち位置の女性はとても多く、相談してきた方達は、いけないことだと分かっているからこそ誰にも相談できず、叫び出したいほどに悩んでました。だからこそ、見ず知らずの、しかも愛について真っ向から向き合い続けそれを表現してきた私に言いたくなってしまったのだと感じました。そしてこれをテーマに描いてほしいと熱望され続けました。

『恋愛は脳でするものではなくて心でするものだ。』 沢山の方の不条理で理不尽で救いようのないこの恋愛の話を聞くうちに、そう思うようになりました。 この恋をしている皆さんは、頭では『正解』は分かり切っているんです。それでも恋心を止められない。どこか心の奥底で、ハッピーエンドを期待してしまう。または、2番目こそが本当の1番であり、本来の幸せは実はここにある、なんて思うことも。 後者は、この恋に終止符を打たないと心に決めた方が自分にそう言い聞かせているようにも感じます。

このテーマに関しては大きな反感を招くだろうことは想像していました。(特にSNSは不特定多数の方が簡単に閲覧できてしまう為、『過去に浮気された側』の方が見てしまった場合、不快な思いをさせてしまうかもしれないとは思いました) それでも悲痛な叫びを沢山聞いてしまった以上、もう逃げてはいけないという気がしてきて、その恋を肯定も否定もしない事を前提に、客観的に、または冷たい言い方をすれば1傍観者として、この現実を絵と文にすることにしました。 結果、反感は多少ありましたが、多くの共感を呼び、これを見ることで自分自身を客観的に見れるようになった、心が楽になった、自分だけじゃないと思えて心の痛みが減った、という感想が多数寄せられました。 状況は変わらないけれど自分自身の為にも、【自分の状況を自覚すること】【自分自身と向き合うこと】はこの恋愛を選んだ時点で絶対に必要なことだと思います。

平泉春奈 ランジェリー×イラスト 『あなたの1番になれない水曜日のキス』 

このテーマでは、切ない男女の絡みの絵を描きました。 毎週水曜の夜、女性の1人暮らしの部屋に訪ねてくる男性。1週間、会いたくて会いたくて堪らなくて、水曜日はとても幸せな日。身体を重ねている時だけは彼にとって自分は1番な気がして、気持ちが舞い上がる。それでも現実をついつい考え出すと、自分が惨めで可哀想に感じてしまう。そんな思いを必死に拭い去ろうとする女性。 絵だけ見るとなんとなく切ない感じはあるけど、まさか二人の関係がそんなだとは想像つきませんよね。文章を添える事で絵に想いや感情が投影され、ある種の魂が宿るような気がしています。

泣き出しそうな、それでも目の前に大好きな人がいて触れ合える喜びを感じてしまっている女性。彼女が身に着けているランジェリーは、清純な雰囲気のパステルカラー&大きな花の刺繡。 女性の健気で泣きたくなる程に真っ直ぐな想いをイメージしてます。

今回少し重いテーマになってしまいましたが、今そんな辛い恋愛をされてる方がこれを読んで、少しでもその恋、そして、自分自身と向き合えるキッカケになる事を願ってます。

各分野で活躍する方々に登場していたたきランジェリーや女性の美、最新の ファッションやコーディネイトに関する情報を発信していただく最新コラムです。

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