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ランジェリーをあなたの日常スタイルに
その道のプロから学ぶスタイルコラム
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ランジェリーとアートの融合

ランジェリー×イラスト『ランジェリーと愛がもたらした奇跡 ~SNS裏エピソード~』
5回目のコラムとなりました。今回はちょっと主旨を変えて、私自身が体験してきたSNSの裏側エピソードをお話ししたいと思います。
そもそもこのようなコラムを書かせて頂けるのも、全ては私の絵が世の中に広まり沢山の方に知って頂けたからこそなのですが、皆さんご存知の通り、私はInstagramによって「バズ」を経験し、今に至ります。
さて今となってはSNSに触れている方は大抵知っている言葉だと思いますが、バズとは何なのか。私自身、1年半前まではSNS初心者でこの言葉すら知りませんでした。
《バズる「バズ」の動詞化》俗に、ウェブ上で、ある特定の事柄について話題にする。特に、SNSを通じて多人数がうわさをしたり、意見や感想を述べ合ったりして、一挙に話題が広まることを指す。 出典 小学館デジタル大辞泉について
要は拡散です。とある一枚の絵によって、私の絵は一瞬にして広く拡散され話題となり、急激に沢山の方にフォローされるようになりました。それがちょうど1年前のクリスマスの時です。
元々十代の頃からずっと絵を描いてきたのですが、世の中に広めるような活動を一切していなくて自分の中だけで描いてました。でもやはり、ちゃんと絵を仕事にしたいと思ったので、1年半前にInstagramを始めました。
始めた当初は殆どガールズイラストだけを描いて投稿していました。女の子をいかに可愛くおしゃれでアートに仕立て上げるかという部分にスポットを当てて、私なりに世の中に知ってもらいたい想いで必死にやっていました。デジタル絵を描き始めて結構すぐにInstagramで投稿し始めたので、最初の頃に投稿した絵は線もガタガタで今見たら酷いものです。その頃はフォロワー1000人いくのがやっとな感じで毎日毎日デジタル絵を練習して投稿してを繰り返していました。一日数人フォローしてくれて、コメント頂けたら嬉しくて舞い上がって。そんな日が続き、絵は上達していって表現力も身についていったのですが、その割には絵があまり多くの方に届きませんでした。分かりやすく言うとフォロワーの数が思ったように増えなかったんです。自分としては精一杯やっていて、作品も恥ずかしくない位の完成度になっているのになんでなのかな、と、苦しんだものです。
そんなこんなで去年の12月、世の中は一気にクリスマスへ。SNSの中でもクリスマスというイベントで毎日大盛り上がりでした。自分もサンタコスチュームの可愛い女の子でも描こうかな位に思ってたのですが、ふと、クリスマスと言えばやっぱりカップルだよなあと思ったんです。
仲良くしていたフォロワーさんからの私の熱々カップルが見てみたいという後押しもあって、クリスマスムード満点の官能的なカップルイラストを描いたんです。それがこちら。

どうせやるなら中途半端は嫌だったので思いっきりセクシーで官能的にと思い、女の人を脱がせることに。クリスマスなので真っ赤なランジェリーに、男の人はセクシーな白シャツとSっ気のある表情で。そして少女漫画好きなら誰もが好きであろうベッドで押し倒すシーンです(笑)。もうベタの極みですね(笑)
しかもこの作品は3部作にして、恋人たちのクリスマスを始まりから次の日の朝まで一つの物語にしました。
結果、この投稿が物凄くバズりました。それまで"いいね!"の数はいっても600~800程度だったのが、いきなり物凄い勢いで付くようになり、突然5000位付いたんです。
色々な場所でこの絵が拡散されているという通知もどんどん来ました(誰かが私をタグ付けしてこの絵を投稿するということ)。
これが"バズ"なんだと、初めて実感しました。
こんなに大きなバズはそうそう体験できるものではなく、ある意味奇跡とも言えます。
ただそれは待ち望んでいた瞬間だったはずなのに、嬉しさと同時に怖さも感じました。いきなり不特定多数の人から自分を覗き見されているような不安感だったり、今まで距離が近かったフォロワーさんが突然凄く遠くなってしまったような、そんな不安定な恐怖心でした。
だからこそ、私は浮かれて大事なものを見失ってはいけないと、自分を必要以上に戒めました。私は私、何も変わらないのだと心に決めて、でも沢山の人に指示してもらえる絵を描き続けようと、改めて思える機会になりました。
私はその時に描いたカップル&ランジェリーイラストで、自分に足りなかったものがハッキリしました。それはいかにファンを魅了できるだけのストーリーのある絵を描くか。いかにブレない自分のテーマを持つか。
それまでは、ただ小綺麗なアートを描いて、綺麗でしょ?可愛いでしょ?って自分の作品を押し売りしていただけだったんだと思います。それでちゃんとファンを付ける事ができたらそれでも良かったのかもしれませんが、私の絵ではそれが駄目だったのです。
より絵で人を惹きつける為には、物語性やテーマ性は本当に大事なんだと気付きました。
そうして私は『愛』をテーマに描くことにしました。また、ランジェリー姿の女性を描くことで、登場人物の女性が今まで以上に魅力的になっていったのが私の中ではとても大きく、女性がより美しく見える姿を描いていきたい、着衣を脱ぎ捨てて本来の姿になった女性を描いていきたいと思い、ランジェリー姿を描くようになりました。
結果論ですが、あの日の"バズ"は私自身が本当に向き合うべきものを見つけてくれ、後押ししてくれるものとなりました。
しかもそれが世の中の(特に若い女の子の)需要とピッタリはまったのが良かったんでしょう。あの時から私は愛を描き続けて沢山の方に見てもらえるようになりました。また、そこから私の絵がお仕事にも繋がっていきました。
まだまだ駆け出しですが、自分の中で転換期は確かにあって、それはそれまで苦しんだ時期もあったからこそ気付けたもので、全て自分がやってきたことは最終的には繋がるんだと思いました。
私は今も常に、絵と自分自身について模索しています。絵を仕事にする。絵を通して大切なことを伝えていく。それは本当に並大抵のことではなく、いつだって自分との闘いだし、自分との闘いに負けないことがこの道を選んだ上で物凄く大事だと思ってます。
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