SELECT
News & Trend
気になる最新記事 おすすめセレクト
女性なら毎日当たり前のように着けているブラジャー。バストを美しく見せるものとして、また気持ちを高めるアイテムの一つとして、女性にとってなくてはならない存在です。そんなブラジャーはいつ、どのように誕生したのでしょうか?昔の日本女性を思い返せば、着物を着用し、胸の膨らみを目立たせないようにしていたと言われています。ここでは、ブラジャーの歴史について前編とと後編に分けてご紹介します。
ブラジャーの起源は紀元前!
女性の胸に身に着ける衣類はいつ誕生したのでしょうか?それは、なんと紀元前3000年にまでさかのぼります。古代メソポタミアの壁画に描かれている女性の胸が下着のようなもので覆われているのがその証拠です。当時は胸を隠すのではなく、胸が下がらないように支えるベルト状のものだったと言われています。
16~18世紀、欧米では「コルセット」という胸からウエストまでを包む下着が生まれました。コルセットと聞くと締め付けるイメージを持たれる方も多いと思いますが、その通り。ウエストだけではなく胸も締め付けて、女性らしい身体の特徴を隠すものでした。その後、コルセットは、胸を下から支え、バストラインを美しく見せるものに変わっていきました。しかし、上半身を締め付けるものには変わりありません。
長い歴史の中で、コルセットは女性たちの身体を締め続けていましたが、その苦しさを排除しようという風潮になり、第一次世界大戦のころには使われなくなりました。ここで新たな下着、ブラジャーが登場するのです。
1914年、アメリカ人女性のメアリー・フェルブス・ジェイコブ氏(後のカレッセ・クロスビー、通称ポリー)が、ハンカチ2枚に肩ひもをつけたような形状の下着「BACKLESS BRASSIERE(バックレスブラジャー)」で特許を取得しました。コルセットは肩ひもがないためズレ落ちたり、着け心地が不安定だったりしましたが、肩ひもをつけることで、胸の正しい位置にぴったり安定するようになり、これがブラジャーの原型だと伝えられています。
江戸時代の下着事情と乳房に対する意識
欧米では1914年にブラジャーの先駆けとなるものが生まれましたが、昔から着物を着用していた日本人がブラジャーを身に着けるようになったのはいつなのでしょうか?
江戸時代が終わるまで日本の女性には下着らしいものがありませんでした。女性であっても胸を隠すようなブラジャーに代わるものはなく、そもそも下着を着用する習慣もありません。胸元を巻く晒(さらし)はありましたが、武士や僧侶が着用する事が多く、女性が着用する事はありませんでした。
江戸時代の風習として女性が胸をさらすことは特別な事ではなく、女性が腰まで着物を脱いで作業をしたり、化粧や日常の身支度をする事も普通の行為だったのです。また乳房を人前にさらすこと自体もマナー違反ではありませんでした。
着物文化の日本でブラジャーが普及
明治に入り、文明開化と共に一部の上流階級や貴族社会で欧米の文化を真似したり取り入れたりする動きがありました。その中でキャミソールやコルセットなどの下着を着用する女性が出てきました。そして昭和初期に「乳押さえ」「乳房バンド」などという下着が誕生。これは、着物を着る時に胸の膨らみを押さえるもので、胸をきれいに大きく見せるような機能はありません。名前の通り「乳押さえ」なのです。
終戦後になって着物文化が主流だった日本でもようやくブラジャーが着用されるようになりました。洋服を着用する女性が急増し欧米のファッションや流行などが取り入れられ、胸の膨らみとウエストのくびれが強調されるスタイルが主流になり、多くの女性がブラジャーを着用するようになりました。そして1950年、日本で初めて、和江商事株式会社(現在の株式会社ワコール)がブラジャーを開発・販売。日本国内で、ブラジャーが市場に出回るようになって70年。この70年の間にブラジャーは女性の体型やライフスタイルに合わせて変化・進化し、女性にとってなくてはならない存在になりました。
ブラジャーの歴史は紀元前から始まりましたが、日本人にブラジャーが受け入れられるようになったのはたった70年。この間に、ブラジャーの機能性・デザイン性はどんどん進化してきました。これからも女性のニーズに応えるため、また女性の魅力を引き出すため、さらなる進化が期待できますね。
次のコラムでは、日本にブラジャーが誕生してから現在に至るまで、どんなふうにブラジャーが変化してきたのか、日本のブラジャーの歴史についてご紹介します。
気になるランジェリーのトレンドと最新ニュースを紹介するおすすめセレクトコラム。話題のキーワードなどを深堀します!
©2018 SPLASH.全ての文章は著作権で守られています。無断転載・無断使用、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。