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日本で初めてのブラジャー誕生

1950年、日本で初めて、和江商事株式会社（現在の株式会社ワコール）がブラジャーを開発・販売しました。

ブラジャーと言っても、ブラパッドを入れられるポケットのついたブラジャーで、カップ部分は全部同じ。現在のような細かいカップサイズは設定されておらず、アンダーサイズに合わせて、S・M・Lから選べるようになっていました。ブラジャーが3サイズ展開だなんて、今となれば考えられませんね。

1960年代になると、素材の開発が進み、ストレッチ性のある生地で作られたブラジャーが誕生しました。身体に心地よくフィットし、ブラジャーのつけ心地が格段に上がっていったのです。ブラジャーとはただ「バストを覆うもの」という概念から「つけ心地」も考慮したものに変わっていきました。

ブラジャーにも流行が

女性の下着として当たり前のように着用され普及したブラジャー。高度成長期の1970年ごろには、ブラジャーにも流行が生まれます。当時特に流行ったのは「フロントホックブラジャー」。ホックを留めるときに手を後ろまで回さなくていい、という構造は多くの女性に喜ばれ、身に着けられるようになりました。 その他にも、シームレスブラジャーは縫い目がなくアウターに響きにくいと流行し、現在でもラインナップのひとつとして、当たり前のように並んでいます。

バストを美しく整えるために～多様化するニーズ

1980年代には、タイトでボディーラインが目立つファッションが流行し、それに伴い、ブラジャーでバストラインを整える「補整」としての機能が多くの女性に受け入れられました。

1992年ワコールから発売されたグッドアップブラや1994年トリンプ・インターナショナル・ジャパンから発売された天使のブラなど、バストを寄せて上げるという機能をもったブラジャーが大ヒット商品となりました。このころから、「ブラジャーでバストを寄せて上げる」機能は女性の必須項目となったのです。

2003年にはブラジャーの概念を覆したヌーブラが日本市場に出回りました。シリコン製で厚みがあるのでバストアップ効果が期待できたり、ストラップがないので洋服の形状に関係なく着けられたりなど、メリットが多く空前のヒットを生みました。同じころ、ワコールではTシャツブラが登場。ブラジャーがアウターに響くことなく、綺麗に着こなせることが喜ばれ、今でもブラジャーの定番ラインナップとしてあげられていますね。

さらに、従来のバストを整えるには締め付けが必要、ワイヤーは痛いものなど、ブラジャー着用時には多少の我慢が必要だという価値観から、「もっと着心地の良いものを」「もっと楽に着用できるものを」というニーズが高まりました。そこで、2008年に登場したのがユニクロのブラトップ。ブラジャーでなくても、楽にバストラインを整えられることで、多くの女性に支持されました。 「楽に綺麗に」というコンセプトのブラジャーが増え、現在でもそのニーズに応えるべく、ブラジャーの開発は続いています。

2010年代に入り、個性がより表現しやすい時代になり、ブラジャーにも反映できるようになりました。ブラジャーの機能はさらに高まり、デザイン性も豊かになり、洋服と同じ感覚でブラジャーを選べるようになっています。海外ブランドのようなブラレットやレースブラが若い世代に普及し始めてブラジャーを身に着けるとウキウキする、心が躍るという感覚も生まれました。

今後もブラジャーやブラジャーのトレンドはさらに進化していくことが予想されます。 トレンドとしては「アンダーウェア（下着としての機能）とランジェリー（ファッションアイテム）」の区別と２極化が進むと考えられています。

日本でブラジャーが誕生して現在に至るまで70年。その間に、日本女性の生活スタイルやニーズに合わせて、ブラジャーも進化してきました。そしてその進化はこれからも続いていると予想されます。 毎日、一番肌に近いところに身につけるものだからこそ、自分の「これだ！」と思えるブラジャーを選んで、心も豊かに過ごしてください。